『後継者がいない…』中小企業の事業承継にM&Aを活用する方法とは?

はじめに

中小企業の経営者の多くが直面する「後継者問題」。日本では高齢化が進み、2025年には団塊世代の多くが75歳を超えるとされ、経営者の高齢化がますます深刻化しています。
帝国データバンクの調査(2024年)によると、後継者不在の中小企業は全国でおよそ65%にのぼるというデータもあります。

そのようななか、注目されているのがM&A(企業の合併・買収)を活用した事業承継です。本記事では、後継者問題を抱える経営者の方に向けて、M&Aを活用した事業承継のメリット・デメリット、進め方、実務上の注意点までを解説します。


M&Aによる事業承継とは?

M&Aによる事業承継とは、自社の株式や事業を第三者に譲渡することで、企業の存続や従業員の雇用を守る方法です。後継者が社内や親族にいない場合でも、外部の買い手を見つけることで承継の選択肢が広がります

買い手には、以下のようなタイプがあります:

  • 同業他社(競争力強化やシェア拡大を目的としたケース)
  • 異業種企業(新規事業進出や地域展開のため)
  • 投資ファンド(中長期的な企業成長を見込む)

中小企業がM&Aで事業承継するメリット

1. 社員や取引先との関係を維持できる

清算・廃業と異なり、会社そのものが存続するため、従業員の雇用や取引関係が維持される点は大きなメリットです。

2. 経営者が創業時の思いをつなげる

信頼できる譲受企業に託すことで、経営理念や事業の価値を継承できます。

3. 経済的リターンの獲得

M&Aにより、経営者は自社株式を譲渡して対価を得ることができます。これにより、老後資金の確保や新たな人生設計にも役立ちます。


M&Aによる事業承継のデメリット・リスク

1. 社風や文化の変化

譲受企業との企業文化の違いによって、従業員のモチベーションや社内の調和が乱れるリスクがあります。

2. 情報漏洩のリスク

交渉段階で機密情報が漏れるリスクもあります。秘密保持契約(NDA)の締結が必須です。

3. 希望条件に合う買い手が見つからないことも

中小企業の場合、買い手の選定に時間がかかることがあります。専門家のネットワークを活用することが重要です。


M&Aによる事業承継の進め方【6つのステップ】

  1. 現状分析・目標設定
     まずは自社の現状(財務状況、強み・弱み)を把握し、譲渡の目的を明確にします。
  2. 専門家に相談
     M&A仲介会社やM&Aアドバイザーに相談し、第三者視点でのアドバイスを受けましょう。
  3. 企業価値の算定(バリュエーション)
     企業の価値を公正に評価することが、適正な譲渡価格の設定に不可欠です。
  4. 買い手候補の選定・打診
     秘密保持契約を締結したうえで、譲渡条件に合致する買い手企業へアプローチを開始します。
  5. デューデリジェンス(買収監査)
     買い手による財務・法務・人事・税務などの詳細調査が行われます。
  6. 最終契約・クロージング
     最終契約締結後、譲渡対価の受領とともにM&Aが成立します。

事業承継M&Aを成功させるポイント

  • 早めの準備がカギ:理想的には3年〜5年前から計画を。
  • 専門家を活用する:弁護士、公認会計士、M&Aアドバイザーの連携が重要。
  • 譲渡後の支援体制を整える:経営者交代後も一定期間関与することでスムーズな移行が可能。

おわりに

後継者不在の課題に悩む中小企業にとって、M&Aは有力な選択肢の一つです。ただし、進め方を誤ると、従業員や顧客に不安を与えてしまうリスクもあります。早期に検討を開始し、信頼できる専門家とともに戦略的に取り組むことが成功のカギです。


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Akira Kitagawa
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