M&Aは完了した後が大事|PMI(統合プロセス)で差がつく成功の鍵とは

みなさん、こんにちは。MAITコンサルティング北川です。M&A(合併・買収)は、「契約が締結された瞬間に完了」と思われがちですが、本当の意味での成功はその後の統合プロセスにかかっています。
買収先の企業とシナジーを発揮し、企業価値を最大化するには「PMI(Post Merger Integration)」というプロセスが極めて重要です。
筆者が以前在籍していた大手証券会社は、M&Aのプロフェッショナルが集まる組織ではあるのですが、「契約締結でサヨウナラ」というアドバイザリー契約になっておりました。その後、私はファンドに移籍し、製造業などの事業会社の経営の現場で結果を出さないと立場となったのですが、「証券会社や銀行のアドバイザーは高い金を払ったのになんか片手落ち」と常に考えてました(自身の反省も込めて)。
契約締結まではあくまで成長のための準備段階に過ぎなく「買収してから」「売却してから」が経営者や社員にとって本番なのです。
この記事では、M&A完了後に重視すべきポイントと、成功する統合の実務的なヒントを解説します。
M&Aは「スタート地点」——統合の成否が事業の未来を左右する
なぜ「PMI」が重要なのか?
PMIとは、Post Merger Integrationの略で、買収後に組織・人材・システム・文化などを一体化するプロセスのことです。
せっかく高額なコストと労力をかけてM&Aを実行しても、PMIに失敗すると以下のような問題が発生します:
- 従業員のモチベーション低下や離職
- 重複する業務や非効率な体制
- 経営理念や意思決定ルールの不一致
- 財務統合の遅延による内部統制の混乱
データが示す「PMIの重要性」
ハーバード・ビジネス・レビューの調査によれば、M&Aの約70%が買収後の統合に失敗しており、その主因の多くが「文化の違い」や「統合計画の欠如」に起因しています(Harvard Business Review, 2016)。
成功するPMIに欠かせない5つの要素
① 明確な統合ビジョンの共有
経営陣がどのようなシナジーを目指してM&Aを行ったのか、従業員に向けて明確にビジョンを共有することが第一歩です。
「何のために一緒になるのか」を理解してもらうことで、抵抗感を減らすことができます。
② 組織と人事の早期統合
組織構造や報告ラインを明確化し、人事制度の統一を図ることで、従業員の安心感と業務の一貫性を確保できます。
特に中小企業同士のM&Aでは、トップの信頼関係が鍵となります。
③ IT・業務プロセスの統一
会計システムやERP、顧客管理ツールなど、情報システムの統合は業務効率化とガバナンス強化のために不可欠です。
統合前からシステムの比較・選定を進めることが望ましいです。
④ コミュニケーションの設計
「サイレント期間」や「不安な噂」が広まらないよう、定期的な全社説明会や現場への丁寧な説明を重視します。
双方向のコミュニケーション体制も整えることが理想です。
⑤ 統合責任者(PMIオフィス)の設置
専門チームを設置し、進捗管理と課題解決を担わせることで、統合のスピードと質を担保します。
外部のプロフェッショナルをアドバイザーとして起用するケースも増えています。
MAITコンサルティングが提供する「PMI支援サービス」
M&A支援において20年以上の実績を持つMAITコンサルティングでは、M&A成立後のPMIフェーズも専門家が継続支援します。
特徴:
- PMI専任コンサルタントによる現場密着型の実行支援
- 財務、法務、人事、ITに精通した横断的なチーム体制
- 買収戦略と整合した中期経営計画の再構築支援
- クイックウィン(早期成果)の演出による社内一体感の醸成
M&A完了後も「一緒に未来を創るパートナー」として伴走するのが、MAITコンサルティングの強みです。
まとめ|M&Aの成否は「PMI」で決まる
M&Aは「完了」がゴールではなく、そこからが本当のスタートです。
買収の目的を果たし、企業価値を最大化するためには、戦略的かつ実行力のあるPMIが不可欠です。
そのためには、豊富な経験と実績を持つパートナーの力を借りることが最も重要な投資と言えるでしょう。
お問い合わせはこちら
MAITコンサルティングでは20年以上の経験を有するM&Aプロフェッショナルがお客さまのM&Aの成功をサポートいたします。
まずはお気軽に無料相談をしてみませんか?
下記お問い合わせからのご連絡お待ちしています。

お問い合わせ
まずは無料相談を承っています。たった30秒で、未来が変わる第一歩を踏み出しませんか?貴社の“M&A戦略”、無料でプロが診断します。
投稿者プロフィール
