銀行融資が厳しくなる前に検討したい“攻め”の資金調達法

2025年、日本銀行の金融政策はついに「緩和から引き締め」へと大きく舵を切りました。これにより、企業の資金調達環境にも変化が起き始めています。

特に中小企業にとっては、「今までは借りられたのに、今回は融資が通らない」というケースが増えており、資金繰り・事業拡大における障害が顕在化しつつあります。

そんな中で注目されているのが、「銀行融資だけに依存しない“攻め”の資金調達」です。本記事では、今後ますます重要性を増すこの資金調達戦略について、具体策とそのメリット・注意点を解説します。


【背景】銀行融資環境が変わりつつある理由

2025年3月、日銀は政策金利を0.1%に引き上げ、17年ぶりのゼロ金利解除を行いました。これにより、民間銀行の貸出金利もじわじわと上昇しています。

加えて、以下のような要因が中小企業にとってのハードルを高めています。

  • ◆ 信用保証協会の審査基準が厳格化
  • ◆ 事業再構築補助金等の終了に伴う資金需要増
  • ◆ 地銀・信金の「貸出選別」の強化(財務指標への厳格な評価)

💡 つまり:今後、“借りられる会社”と“借りられない会社”の格差が拡大するのは確実です。


【解決策】“攻め”の資金調達とは?

“攻め”の資金調達とは、単なるつなぎ資金や銀行等からの短期借入ではなく、事業成長・設備投資・M&Aなどを目的に調達する前向きな資金を意味します。

✅ 主な手法:

調達手法特徴向いている場面
ノンバンク借入銀行より柔軟、金利は高めスピード重視・短期借入
売掛債権ファクタリング売掛金を即資金化キャッシュフロー改善
補助金・助成金活用返済不要だが審査・申請が必要新規投資・雇用創出
資本性ローン財務上は“資本”扱い、返済柔軟財務改善・信用格上げ
エクイティファイナンス出資による資金獲得、持分変動あり成長企業・スタートアップ
M&Aによる成長資金確保買い手企業からの出資型M&A事業承継・事業拡大

【ケーススタディ】食品製造業A社のファクタリング活用例

東京都の食品製造業A社(年商6億円)は、スーパー向け販路拡大に伴い製造ラインの増設を検討。ところが、銀行融資の審査に時間がかかり、発注タイミングに間に合わない状況でした。

そこで同社は、既存の売掛債権(3,000万円分)をファクタリング会社を通じて即時資金化。その資金で設備投資を前倒しし、新規受注に対応。結果的に半年で売上が1.5倍に増加しました。

💡 ポイント:一時的にコストは増えても、リターンが明確であれば“先行投資”として正当化されます。


【補助金・資本性ローンの活用も検討を】

● 事業再構築補助金(2025年度特別枠あり)

成長投資や業態転換に最大8,000万円支給(返済不要)

● 資本性ローン(日本政策金融公庫)

返済順位が低く、自己資本として評価されるため、財務改善に有効。銀行からの通常融資と“併用”も可能。


【注意点】資金調達手段の“質”を見極める

攻めの資金調達は有効ですが、「高コスト・高リスク」な手段に偏ると逆効果です。以下の点には注意が必要です。

  • 高利なノンバンク利用は短期利用に限定
  • ファクタリングは信頼性のある業者選定
  • 補助金申請は採択率とスケジュールを事前確認

必要に応じて、税理士やM&A・資金調達の専門家に相談し、“成長のための戦略的借入”をデザインしましょう。


まとめ|“借りられない時代”の備えは今から始める

これからの時代、銀行に頼るだけの資金繰りは通用しません。中小企業にも**「資金調達の多様化」「資金戦略の柔軟性」**が求められます。

特に、以下に該当する企業は早期の対策が不可欠です:

  • 金利上昇が経費に直撃する業種(製造・物流・飲食など)
  • 設備更新や人材確保に前向きな投資が必要な会社
  • 今後、M&Aや拠点展開を検討している成長企業

「借りられなくなってから考える」のではなく、「借りられるうちに備える」ことが、経営者の先見性です。


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Akira Kitagawa
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