日経平均800円超の急騰!米中関税引き下げがM&A市場に与える3つの影響

2025年5月13日、東京株式市場では日経平均株価が一時800円を超える急騰を記録し、約3か月ぶりに3万8000円台を回復しました。その背景には、米中両政府が相互に課していた関税を大幅に引き下げることで合意したというニュースがあります。この合意は、金融市場のみならず、企業の経営戦略やM&A市場にも大きな影響を与える可能性があります。
本記事では、「米中関税引き下げがM&A市場に与える3つの影響」を解説します。
米中関税引き下げの概要と市場の反応
2025年5月12日、米国と中国はスイス・ジュネーブでの閣僚級協議において、関税率をそれぞれ115%ポイント引き下げることで合意しました。これにより、米国の対中関税は145%→30%に、中国の対米関税は125%→10%に引き下げられ、90日間の一時停止措置が設けられました(Bloomberg報道)。
この報道を受け、日本市場では機械・製造業株を中心に急反発。安川電機は一時10%以上の上昇、その他ファクトリーオートメーション銘柄にも買いが入り、全体として投資家心理の改善が確認されました。
関税緩和がM&A市場に与える3つの影響
1. 企業価値の回復により「売り手市場」が形成される
今後の状況を注視する必要はありますが、関税の引き下げにより、特に製造業・輸出業のコスト負担が軽減され、企業の利益率が改善する見通しです。これは、企業価値(バリュエーション)の上昇を意味し、売却を検討する企業にとっては好機となります。今後、成長資金を得たい中堅企業やファンドのEXIT案件などが活発化する可能性があります。
2. クロスボーダーM&Aが加速する可能性
貿易摩擦の緩和は、国境を越えた投資や買収の障壁を下げる要因になります。米中両国の企業が相互市場への進出を再検討する動きが出れば、これに連動して日本企業もクロスボーダーM&Aの機会を模索するでしょう。特に、中国での販売チャネルを持つ日系企業は、再進出や提携の可能性が高まります。
3. 投資家のリスク許容度上昇でPEファンドが積極化
市場全体のボラティリティが低下することで、プライベート・エクイティ(PE)ファンドやVCによる投資意欲も回復する傾向があります。これにより、MBO(マネジメント・バイアウト)やカーブアウト案件への資金流入が増加し、中堅企業の事業再編を促進する可能性も出てきます。
今後の注意点:90日間の「暫定合意」
ただし、今回の合意は90日間の一時的措置であり、恒久的な貿易協定ではありません。地政学的リスクや知的財産・先端技術をめぐる対立は継続中であり、企業としては楽観視せず、複数シナリオを想定した事業・投資判断が求められます。
また、特定の産業(半導体、医薬品、AI関連など)に対しては引き続き制限が課される可能性があり、M&Aにおいても業種別リスク評価が重要となります。
結論:M&A戦略の「再構築」が求められる局面へ
米中関税の緩和は、日本企業にとって一時的な追い風となる可能性があります。企業価値の改善、クロスボーダーM&Aの再活性化、投資資金の流入という3つの観点から、M&Aの好機が到来しているとも言えるでしょう。
一方で、依然として不確実性は残るため、タイミングや業界動向を見極めた戦略立案が不可欠です。今後、外部環境の変化を見据えながら、自社の成長戦略にM&Aをどう位置づけるかが問われています。
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